明オケブログをご閲覧の皆様、この度明オケブログを執筆いたします第103代インスペクターの川
村紳太郎です。代替わりして半年ほどになりますが、いざインスペクターの仕事をしてきて大変だ
なと思うことが多いですが、楽しく明オケライフを送っております。
さて早速なげやりな質問をしますが、インスペクターという役職名を耳にしたときにどうでしょ
う。もとより私も横文字が苦手なので(笑)、インスペクター?何それ?と思いました。実際に就い
てみると、演奏会の運営として仕事をしたり、幹部として仕事をしたり、指揮者の先生およびト
レーナーの先生方とやりとりをしたり───色々な仕事があり、その度に関係者の皆様にご迷惑
をお掛けしているなあと自らの体を鞭打つ日々でございます。
今回のメインどころとなる話はインスペクターの仕事の話です。インスペクターとして最重要の仕
事───合奏の下振りがあります。明オケの演奏会では本番に指揮者の先生をお呼びして演奏をし
ています。がしかし、毎回練習にお呼びする訳にはいかない!!ので……代わりに練習を見る、
指揮棒を振る、というのが仕事になります。
合唱ならまだしも、世界中の殆どの人は楽器合奏を前にして指揮を振る!なんて経験はしたこと
がないでしょう。というか指揮をしているしていた方々も、ほぼほぼ全ての人が「ええ振ったこ
とないよ」から始まるものでしょう。かくいう私も当然そうでした。
当の私はバイオリン奏者ではあるのですが、高校生のときに吹奏楽部で指揮者をする経験があり
ました。しかもその部は顧問の先生や指導者の方はおらず自分たちで音楽を作って吹奏楽コン
クールに出る、あるいは定期演奏会を催す、という活動をしていました。なので私の名前をブラウ
ザで検索すると…………とまあ話が逸れてしまいましょう、やめておきます。
こういった経験もあり、また高校外で指揮者の先生に棒を見ていただいたり、ソルフェージュもそ
こそこできたり、という土台があったためでしょうか、6月演の練習が始まるぞ!さあいざ振る
ぞ!というときのハードルはそこまで高くなかった、というのが心境です。
とはいえ困ってしまうことも沢山ありました。楽譜に書いてあることに忠実に音楽を作るという
のはまだ良いです。1番大変だと感じていることは、下振りという、自分たちの音楽性を出すこと
も勿論だが指揮者の先生の音楽性をより見いだしていかねばならない役割がある、という経験の
ないことで苦悩しました。当然今もそうですがね。
さらに困ったことがあります。私はバイオリン奏者としても明オケに籍を置いているわけですが、
本番もバイオリン奏者として演奏をします!!!練習は棒を振らないといけませんから、合奏に
バイオリン奏者として参加できないというのは非常に演奏がむつかしい。私が今年度になっては
じめてバイオリンで合奏に参加したのは、なんと5月29日───本番まで1ヶ月切ってます
よ……?!?!
───とまあ色々ありまして6月演奏会を迎えるわけでございます。実に2ヶ月、前で指揮を振っ
てきたわけですがやはり指揮というのは楽しいもので、なんと言っても音楽を一番の特等席で聞
くことができるわけですからね。勿論ですがちゃんと音楽として調整をするなどは精一杯やりま
したし、こだわるところもとことんこだわってきました。そのせいで一日の練習計画がぐちゃぐ
ちゃになってしまったことは団員に本当に申し訳なく思っています……
が、団員はそれでも私についてきてくれて、共に音楽を作り上げる一人間としてそれぞれが演奏を
してくださいます。中には今回の6月演で引退をしてしまう団員もいる、二度とない演奏会になり
ます。私だけでない、演奏する団員もそう、指揮者の先生もそう、トレーナーの先生方もそう、
この演奏会に携わる全員の想いが今回の6月演奏会には込められている、ということになります。
そう考えると演奏会成功のためにはプレッシャーを今更ではございますが感じますね……!
オーケストラに限らずですが、音楽というのが世代を幾つも超えて演奏される理由にはこういっ
た想いの色が異なるからなのではないでしょうか、とも考えたりしました。音楽を発する主体が
抱く思想だとか感情だとかを伝達するという役割が音楽にはあるのではないでしょうか。もし仮
にそうでないならば、作曲家が真に表現したかったものは現代技術による電子機器の側に正確に
表現してもらうほうがよく、むしろ逆に演奏者というフィルターが通されることを音楽が許さない
でしょう(実はこうした電子音楽も私は好きなのですが……)。いまこの現実で演奏という文化が
残っていることは、たいへん重要なことです。そこには淘汰されなかった何かがあるはずです。
先の役割の話で言えば私達も例外ではありません。関係者の各々が6月演奏会への想いを持ってい
るわけで、それらがぶつかり混ざり溶け合いながら明治大学交響楽団6月演奏会という音楽が完成
します。こうした私たちが込める想いから表現される音楽、というイメージを心のどこかで宿しな
がら演奏をお聴きいただけたらまた一つ面白いのかななんて思います。当然ながら作曲家の表現
した素晴らしい素晴らしい音楽もお楽しみいただきたいのですがね。
かくいう私もまた、音楽を発する主体となる団員の表現された想いを前で聴いて、あるいは合奏
に参加して、音楽とともに感じ取るわけです。明オケの色がある。面白い。ところどころ作曲家の
意図とは反することがあるかもしれません。私自身は偉大な音楽家でもありません。
それもまた音楽という私の愛するものであります。だから演奏をすることも指揮を振ることもこ
の上なく面白いのです。私は音楽が好きです。
私の音楽に対する雑考は程々にしまして……来る6月21日の日曜日には6月演奏会が大田区民ホー
ル・アプリコにて行われます!!!ブラームスの大学祝典序曲、ハチャトゥリアンの仮面舞踏
会、そしてチャイコフスキーの6番と三者三様の曲となっております。それぞれに表現された音楽
と私たちによる音楽をお楽しみいただければ幸いでございます。心よりお待ちしております。
【2026年6月演奏会】
日時 2026年6月21日(日) 13:15開場 14:00開演
会場 大田区民ホール・アプリコ 大ホール
曲目
・ブラームス / 大学祝典序曲
・ハチャトゥリアン / 組曲「仮面舞踏会」
・チャイコフスキー / 交響曲第6番「悲愴」
指揮者 高井優希
